田中謙次の宅建試験ブログ

宅建試験の受験に役立つ情報を提供します。

時効制度の法的性質

時効制度の法的性質 1 時効の定義 時効とは,一定の事実状態,例えば,ある人が所有者であるような事実状態,ある人が債務を負担していないような事実状態などが永続した場合に,この状態が真実の権利関係に合致するものかどうか,いいかえれば,果たして所…

動産の売買契約における売主が代金債権の回収を確実なものとする担保の方法

動産の売買契約における売主が代金債権の回収を確実なものとする担保の方法 1.論点の整理 民法175条は,「物権は,この法律その他の法律に定めるもののほか,創設することができない」と定め,いわゆる物権法定主義を採用する。 この規定は近代革命期にお…

無権代理人が本人を相続した場合の法律関係

無権代理人が本人を相続した場合の法律関係 1.要点整理 無権代理人と相続という典型論点の検討である。同論点には,①無権代理人が本人を相続した場合,②本人が無権代理人を相続した場合,③共同相続の場合の3つの論点あるが,本書では①を検討する。 無権代…

法律行為の取消しと登記 ~とくに民法96条による取消を中心に~

法律行為の取消しと登記 ~とくに民法96条による取消を中心に~ 意思表示を取り消した場合、法理論上は遡及的無効となる。つまり、はじめからなかったという理屈で結論付けようとするものである。ただ、当事者以外の利害関係人がいたような場合、その利益…

意思能力と行為能力の関係

意思能力と行為能力の関係 民法は近代革命から生まれた自由の思想に基づく一般法です。なかなか難しい表現ですが、誤解を畏れず言えば、自らの人生を自らの意思と選択で自由に決定できることをバックアップするための下支え的な法律です。 したがって、その…

無効行為の追認の可否

無効行為の追認の可否 無効という言葉は、一般的にもよく使われている。しかし、法律で使われる無効は玉虫色のとても厄介な意味合いを有する。理論的には無を意味するが、貫徹することによる不利益を回避するため、無から有を生み出す無理な理屈が随所に出て…

代理行為論

代理行為論 自分の代わりに契約等を結んできてもらうだけの話が、法理論上は学説上の争いになるほど込み入った話となっています。宅建試験や実務レベルで代理に触れた方にとったら、何をどう争えるのか?疑問に思うかもしれません。 論点は、意思表示を行う…

権利能力なき社団の法理

権利能力なき社団の法理 1 論点の整理 2005年に会社法が、2006年に「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」が成立したことにより、我が国の団体・法人法の基本的体系が変容したといえる。すなわち、会社法に代表される営利法人と、一般法人法により代…

占有に関する主観的要件

占有に関する主観的要件 普通の会話で、「せんゆう」と言ったら「専有」をはじめに思い浮かべるのではないでしょうか。宅建業に携わる人であれば尚更だと思います。いわゆるマンションの専有部分。 民法では「せんゆう」といったら「占有」を意味し、専有と…

不動産物権変動(民法177条)における第三者

不動産物権変動(177条)における第三者 民法177条は,不動産に関する物権の「得喪及び変更」は登記することが必要であると規定している。ところで,ドイツやフランスの法律によると,登記をもって公示することが必要とされている不動産物権変動は,意思表示…

無権利者からの権利取得と主観的要件

無権利者からの権利取得と主観的要件 他人の物が、その所有者の同意がなくても、自分の物になってしまう摩訶不思議な理屈があります。即時取得や時効取得、公示の原則の反射効、と名称はとても難しいですが、内容もとても難しいです。 ただ、普通に考えるの…

抵当権の及ぶ目的物

抵当権の及ぶ目的物 1 抵当権の効力の及ぶ範囲(従物) (1) 抵当権設定時の従物 現行民法の私権の客体の中心は有体物である。物はその性質から主物と従物に分類できる場合がある。建物と畳のように、一方が他方の効用を助ける物を従物、助けられる物を主…

時効制度の存在理由

時効制度の存在理由 1.総論 時効は,一定の「事実状態」が存続する場合に,たとえ実際の権利関係と異なっていてもそのまま権利関係として認める制度です。 時効には一定の「事実状態」の結果,真実の権利者とみなす「取得時効」と一定の「事実状態」の結果…

不動産賃借権の物権化

不動産賃借権の物権化 Aは、自己所有の土地をBに賃貸した。Bは、この土地上に建物を建てて使用していたが、土地賃借権の登記(民法605条)も、建物の登記も(借地借家法10条)も備えていない。その後、Aは、この土地をCに売却して引き渡した。この場合…

意思主義理論と民法94条

意思主義理論と民法94条 我が国の民法は明治維新の後に作られたフランス民法の翻訳版を改正して作られたものである。欧州で興った近代革命の思想が我が民法にも息づいている。近代革命は自由な意思に基づく個人主義・自由主義と資本主義がその根本ポリシー…

動機の錯誤

動機の錯誤 民法95条と96条の解釈適用において、いわゆる動機の錯誤をどのように位置づけるべきか。 意思理論の申し子のような存在がこの動機の錯誤と呼ばれる問題である。この点について解決するため時期民法改正で錯誤は無効ではなく取消事由とするように…

物権的請求権

物権的請求権 一般的な教本では、物件は物に対する排他的支配権と書かれていることが多い。もちろん、間違えではないが、一見すると物権は物に対する権利で、債権は人に対する権利という観念に固執しかねない定義である。債権も物権も理論上区分したまでの話…

不動産の二重譲渡と配信的悪意者論

不動産の二重譲渡と背信的悪意者論 物権変動は、権利の移転と第三者対抗要件の2つが重要である。権利の移転は意思主義に基づき意思表示のみにより生ずると民法176条にある。もちろん、相続等でも物権変動が生じるので意思表示のみとは限らないともいえるが…

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