田中謙次の宅建試験ブログ

宅建試験の受験に役立つ情報を提供します。

土地区画整理事業の施行地区内で大規模な土木工事をする場合は許可が必要?

Q.土地区画整理事業の施行地区内で大規模な土木工事をする場合は許可が必要?

 

A.原則として都道府県知事等の許可を受けなければなりません。

 

平成28年度宅建試験に出題された問題をピックアップして解説して行きます。

 

土地区画整理事業は明治時代から行われていた?

土地区画整理法は、明治32年に制定された耕地整理法が昭和24年に廃止された後に制定された法律です。耕地整理法は農地の利用増進を主な目的とした土地開発のルールを定めていました。日本も明治時代にはまだまだ農業を中心とする社会でした。しかし、近代化が進む中で、町も大都市化を余儀なくされ、農地の利用増進を目的とした耕地整理法は役不足となり、昭和29年に、宅地の利用増進と公共施設の整備改善を目的とした土地区画整理法が制定されました。

 

都市計画と土地区画整理事業は違うの?

人口が集中する都市は、みんなが安心して暮らし、快適にそして機能的に活動できる場所でなければなりません。そこで、都市計画法では、人々の健康で文化的な生活と機能的な土地利用や都市の根幹となる施設(道路・公園等)の整備・改善を行い、秩序ある市街地づくりを総合的に計画し、実施することを目的とした都市計画を定めています。都市計画法における都市計画は、「土地利用に関するもの」「都市施設に関するもの」「市街地開発事業に関するもの」の3つに大別されます。土地区画整理事業は市街地開発事業の一部で、都市計画を策定する場である都市計画区域内の土地について、道路、公園等の公共施設の整備・改善および宅地の利用の増進を図るため、土地区画形質の変更および公共施設の新設または変更を行う事業に位置付けられます。

 

どうやって土地区画整理事業を進めるの?

土地区画整理事業は、道路や公園などが整備されていない場所で、地主からその権利に応じて少しずつ土地を提供してもらって行います。これを減歩(げんぶ)と呼びます。この土地を道路や公園などの公共用地にあてるほか(公共減歩)、その一部を売却して移転や整備工事などの事業資金の一部にあてたりします(保留地減歩)。このような土地を保留地(ほりゅうち)と呼びます。事業により公共施設は所要の位置に配置され、宅地は公共施設にあわせて再配置されます。これを換地(かんち)と呼びます。この際、宅地は地形や形状の改善により、従前の宅地(これまで住んでいた土地のことをいいます)に見合う評価が得られるようになります。換地は、従前の宅地の位置、地積、環境等に照応するように定める必要があります。これを照応の原則と呼びます。しかし、宅地の位置や面積には制約があるため、多少の不均衡は避けられません。前後の不均衡を金銭によって調整する方法が清算金です。

 

工事中の仮住まいは?

土地区画整理事業は、何十年という長い年月をかけて行われます。それゆえ、換地処分(土地区画整理事業の工事が終了することをいいます。)の前に、従前の宅地に替わるものとして別の土地が必要になります。こうして、仮に換地として指定され使用・収益する土地を「仮換地」といいます。仮換地が指定されると、その効力発生の日から換地処分の日まで、仮換地について、従前の宅地と同じように使うことができます。その代り、従前の宅地は使用・収益することができなくなります(工事中だからです)。なお、その仮換地に使用の障害となる物件があるような場合は開始日が別に定められることもあります。

 

換地処分までは勝手に建築できない?

土地区画整理事業についての認可等が公告された後、換地処分の公告がある日までは、施行地区内において事業の施行の障害となるおそれのある土地の形質の変更、建築物その他の工作物の新築・改築・増築などを行おうとする者は、国土交通大臣施行の場合は国土交通大臣、その他の場合は都道府県知事の許可を受けなければなりません。この規制は仮換地にも適用されます。

 

 

(2016年度の問題にチャレンジ!)

【問 21】 土地区画整理法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 施行者は、換地処分を行う前において、換地計画に基づき換地処分を行うため必要がある場合においては、施行地区内の宅地について仮換地を指定することができる。
  2. 仮換地が指定された場合においては、従前の宅地について権原に基づき使用し、又は収益することができる者は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、仮換地について、従前の宅地について有する権利の内容である使用又は収益と同じ使用又は収益をすることができる。
  3. 施行者は、仮換地を指定した場合において、特別の事情があるときは、その仮換地について使用又は収益を開始することができる日を仮換地の指定の効力発生日と別に定めることができる。
  4. 土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日後、換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更を行おうとする者は、当該土地区画整理組合の許可を受けなければならない。
正解:4
  1. 〇 問題文の通りです(土地区画整理法98条1項)。
  2. 〇 問題文の通りです(土地区画整理法99条1項)。
  3. 〇 問題文の通りです(土地区画整理法99条2項)。
  4. × 組合の許可ではなく、都道府県知事等の許可を受けなければなりません。

 

  

ken-bs.co.jp

 

 

www.ken-bs.co.jp

〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-12-7ストーク新宿1F

電話:03-5326-9294 Email : info@ken-bs.co.jp