田中嵩二の宅建士&賃貸管理士試験ブログ

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アメリカ合衆国の損害賠償はなぜ高額か

米たばこ大手への賠償評決、懲罰の範囲超え減額見通し
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=52&from=diary&id=2976565

 

アメリカ大手タバコ会社に、2兆4000億円の損害賠償命令がされました。


高額すぎて、笑っちゃうレベルですが、そもそもなぜ日本とは異なり、アメリカ合衆国ではこのように高額な損害賠償金が生ずるのでしょうか。


もちろん、日本でも、アメリカでも、タバコを吸うことでの被害や遺族の悲しみはそんなに違うものではありません。

アメリカ合衆国の裁判所でこのような法外な損害賠償金が企業に課せられる理由は2つあります。


1つは、日本のように、営業行為に対する立法・行政による規制が弱いこと。


 日本では、不動産取引するには「宅建業の免許」などなど、憲法で営業の自由が保障されているといいつつ、その大半が免許や認可などがなければ実質的に商売できないようになっていたりします。

 この点で、日本は規制が多数ありすぎて、既得権益が発生し、商売のスピードが低下し、結果的に景気が低迷するという意見が主張されています。

 ただ、この行政による規制にも良いところがあります。それは、許可制・認可制により、営業行為に対する事前のチェックが入り、規程・報告・立ち入り検査等の行政官庁による監督が及び、企業による不当な営業行為を防止し得るという利点があります。


 アメリカ合衆国は、その建国の精神から、立法・行政による営業行為に対する規制という意識がそもそも低く、根本的に「自由」であることを至上命題にしているところがあります。その結果、行政による企業へのコントロールが働かず、唯一の頼みである「司法」による企業のコントロールに頼らざるを得ない状況にあります。


 つまり、日本の場合の不法行為に対する民事上の損害賠償はその名の通り、「損害に対する賠償」なのですが、アメリカ合衆国の場合は司法による企業へのコントロールが損賠賠償という方法で行われてるわけです。

 日本の場合で、不当なことを行った企業には、「免許取消」という方法で、いわゆる企業に対する「死刑判決」ができます。
 アメリカ合衆国の場合は、免許取消ができないので、支払えない法外な額の損害賠償を課すことで企業に対する死刑判決を出しているわけです。


 ただ、この手法にはかなり問題があると感じています。というのは、このような公的な意味合いをもったアメリカ合衆国の懲罰的な損害賠償は、その性質上、その賠償金は大半が国に支払われるべきでしょう。しかし、その法外な賠償金は、6割以上が弁護士に、残りが原告に支払われます。

 はっきりいって、これはとても異常な状況だと思います。

 建国間もない国なので、まだ稚拙な制度と言わざるをえないですね。免許や認可が面倒でスピード感がなくなるとして自由化ばかり唱えるのは、勉強なんてしなくても生きていけるよと言い訳して授業サボって遊ぶ子供と同じです。

 

2つ目は、陪審員として選ばれる人に問題があります。

 ご存知の通り、アメリカ合衆国では、憲法上の権利として、市民権として陪審裁判を受ける権利を保障しています。

 懲罰的損害賠償の裁判などは、原告の弁護団は、あえて陪審を選択します。その理由は、陪審の人選の幼稚さにあります。

 アメリカ合衆国は、多くの人種が入りまじり、かつ、以前は奴隷制度もあり、その名残も南部などでは残っていたりします。

 この人種の問題、差別の問題という爆弾を抱えているのがアメリカ合衆国でした。

 この状態で、当時、ロースクールを卒業できる白人のエリート層が裁判官として判決を下すと、どのような結果であれ、黒人等が暴動を起こし、国が二分する危険性が隣り合わせでした。

 そこで、陪審を選任する際は、州民から無作為に選出した中から、原告と被告が、無理由の解任権を有する方法で、結果の妥当性を担保したわけです。

 つまり、判決の結果は二の次で、対立する原告と被告が、同じように、自分にとって不利な判決を出しそうな陪審員を解任できるようにしたわけです。

 ここまでは、平等な手続きと言えますが、その結果、どのような人が陪審に選ばれるのかということが重要なのです。

 現実を言えば、ブルーカラーの単純労働者や低所得者層がその大半となっています。ホワイトカラーの高所得者は、安い時給で陪審など引き受けたくなく、そもそも自ら陪審を辞退する発言をする。それに対して、安い時給でもあてにする日雇い労働者などは、涼しい場所で座って裁判できる陪審の仕事を良しとします。
 企業相手の懲罰的損害賠償の事案だと、ブルーカラーや失業者は企業を懲らしめたいと思う潜在的な要素があり、それを餌に原告弁護団が動き、結果的にその多額の賠償金はホワイトカラーの弁護士の懐に入る。。。

 

アメリカ合衆国は、毎年、国家予算が債務不履行の危機に瀕し、借金が膨らみ続けています。
世界は、ドルに見切りを付けたり、アメリカ合衆国の軍事力にも見切りを付けたりし始めていますね。


はっきり言います。


タバコを10代から一日3箱吸い続け、肺がんで死亡したのは、本人の自己管理ができていなかったのが原因です。

また、タバコが体に悪いことなど、吸っていりゃ誰だってわかる。がんになるリスクもわかるはず。ガンで死にたくなければ、定期健診受けるなどしておけばよかったはず。

旦那がタバコが原因で肺がんになったからとって、残された家族に国家予算なみの2兆4000億円の賠償金を、会社が支払うなんてのは、愚の骨頂だね。


その2兆4000億円はどうやって支払われるかわかっているのかな。

大企業の役員や大株主は損なんてしないよ。しっかりと法律で守られ、しかも賢いから次の職もすぐにみつかる。

一番困るのは、そこで働くブルーカラーの従業員。彼らが職を失い、もらえたはずの給料で賠償金が支払われる。

そして、その失業者に対する対策として、税金が大量に投入され、、、実際その税金は、企業に吸い上げられ、儲かるのは役員等のエリート層。。。

 


と誰も思っていても言わないことをたまには言ってみたりして。

 



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