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田中謙次の宅建試験ブログ

宅建試験の受験に役立つ情報を提供します。

1月9日に3,000㎡の市街化区域内の甲地を購入し、翌月9日に甲土地の隣地乙4,000㎡を購入する場合、乙地の契約締結後に併せて届出することができる?

Q.1月9日に3,000㎡の市街化区域内の甲地を購入し、翌月9日に甲土地の隣地乙4,000㎡を購入する場合、乙地の契約締結後に併せて届出することができる?

 

A.契約後2週間以内に届出が必要です。甲地の購入2週間以内に届出が必要なので乙地の購入後の届出と併せることはできません。

 

平成28年度宅建試験に出題された問題をピックアップして解説して行きます。

 

国土利用計画法はなぜ作られたの?

一時期、東京都銀座の土地は切符一枚程度の広さで1万円を超える値段に跳ね上がったことがありました。そうなると職場の近くに家を購入し、庭に犬がいて家族がゆったりと暮らして…なんてことは一部の大金持ち以外にはかなわぬ夢となってしまいます。このような地価の高騰を抑えて庶民でも購入できるようにしておくために作られた法律が国土利用計画法です。この法律が作られたのは、日本の地価が急に値上がりしだした高度成長期(昭和40年代)でした。その当時に作った制度が、届出制と許可制の2つでした。その結果、土地の値段は落ち着き、法律を作った目的がある程度達成できたようです。しかし、昭和50年代後半から、いわゆるバブル経済の影響で、都心部やリゾート地などの地価が急に値上がりしだしました。このような局部的な値上がりを抑えるため、昭和62年に、地価の上昇が激しいところにだけ厳しい規制をかける目的で監視区域という制度が国土利用計画法の中に作られました。しかし、思惑どおりには世の中動いてくれません。その後、バブルがはじけて一気に地価が下がりました。そこで、平成10年になって、装いあらたに、全国的な土地の有効活用を目的とする事後届出制という制度と、将来また訪れるかもしれない地価の上昇を予測して大規模な土地取引だけを事前にチェックする注視区域という制度がつくられて今に至ります。

 

土地を購入するには届出や許可が必要?

大規模な土地取引について、事後的にでもいいから、役所に取引価格等を届け出させることで、前記の目的を達成する手段、これが土地取引の事後届出制です。事後届出制は、一定の面積以上の土地取引について、契約の締結後に都道府県知事に届け出ることを要求する制度です。都道府県知事は、届出を受けた内容に問題がある場合には、土地の利用目的について必要な変更をすべきことを勧告することができます。
また、事前に役所に取引価格等を届け出させることで急激な地価の上昇を抑える制度があります。事前届出制には、「注視区域内」におけるものと、「監視区域内」におけるものの2つがあります。注視区域内における届出制とは、一定の面積以上の土地取引に際しては、契約の締結前に都道府県知事に届け出ることを要求する制度です。監視区域内における届出制は、届出対象面積を地域の実態に即して都道府県の規則で定めることができるものです。その他の点に関しては、注視区域内における届出制とほぼ同じです。
さらに、都道府県知事が許可しなければ土地取引はできないとする厳しい制度もあります。ただ、許可制となっている土地はまだありません。

 

500㎡の土地を購入する場合も届出が必要?

前記の通り、土地取引に係る契約(土地に関する権利の移転または設定をする契約。予約を含む。)をした場合、届出が必要です。ただし、監視区域または注視区域に指定されている地域の場合は契約前に届出が必要です。ただ、すべての取引ではなく、表に示した一定面積以上の取引だけが届出対象となります(監視区域の面積要件は都道府県知事が規則で定める面積以上となります)。

 

市街化区域

2,000㎡以上

その他の都市計画区域

5,000㎡以上

都市計画区域

準都市計画区域内含む)

10,000㎡以上

 

事後届出はいつまでに行えばよいの?

土地の権利取得者(買主等)は、契約を締結した日から起算して2週間以内に土地の所在する区市町村長を経由して都道府県知事に届け出なければなりません。なお、届出義務に違反すると刑事罰があります。

 

(2016年度の問題にチャレンジ!)

【問 15】 国土利用計画法第23条に規定する届出(以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 市街化区域内の土地(面積2,500㎡)を購入する契約を締結した者は、その契約を締結した日から起算して3週間以内に事後届出を行わなければならない。
  2. Aが所有する監視区域内の土地(面積10,000㎡)をBが購入する契約を締結した場合、A及びBは事後届出を行わなければならない。
  3. 都市計画区域外に所在し、一団の土地である甲土地(面積6,000㎡)と乙土地(面積5,000㎡)を購入する契約を締結した者は、事後届出を行わなければならない。
  4. 市街化区域内の甲土地(面積3,000㎡)を購入する契約を締結した者が、その契約締結の1月後に甲土地と一団の土地である乙土地(面積4,000㎡)を購入することとしている場合においては、甲土地の事後届出は、乙土地の契約締結後に乙土地の事後届出と併せて行うことができる。
正解:3
  1. × 権利取得者は契約締結した日から2週間以内に届出をしなければなりません。3週間ではありません。
  2. × 監視区域内の土地売買等の契約を締結する場合は契約前に届け出なければなりません。事後ではありません。
  3. 〇 都市計画区域外の区域では届出対象面積は10,000㎡です。甲土地と乙土地で11,000㎡を購入したことになるので事後届出が必要です。
  4. × 市街地区域の届出対象面積は2,000㎡以上です。そして、契約締結日から2週間以内に届出をしなければなりません。甲土地の取引から2週間以内に届出が必要となるので、甲土地と乙土地と併せて届出をすることはできません。

 

 

  

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条件(民法130条)の改正

民法改正案

条件(民法130条)の改正

平成27年3月31日 民法の一部を改正する法律案が後の宅建士試験に与える影響について定期的に解説します。

 

新旧対照条文

現行

(条件の成就の妨害)
第130条  条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる。

 

改正案

(条件の成就の妨害)

第130条 (略)

2 条件が成就することによって利益を受ける当事者が不正にその条件を成就させたときは、相手方は、その条件が成就しなかったものとみなすことができる。

 

改正案の内容

条件の成就によって利益を受ける当事者が故意にその条件を成就させたときは、民法130条の類推適用により、相手方は、その条件が成就していないものとみなすことができるという判例法理(最判平成6年5月31日民集48巻4号10頁)を明文化するものです。

 

審議の過程では、民法130条の要件に、「条件を付した趣旨に反して」という文言を付加する意見もありました。例えば、相手方が窃盗の被害に遭った場合には見舞金を贈与すると約束していた者が、相手方の住居に侵入しようとしている窃盗犯を発見して取り押さえたとしても、それをもって条件の成就を妨害したと評価するのは適当ではないところ、「故意に」というだけでは、こうした事例であっても要件を満たしてしまうことになってしまうという指摘があることを踏まえたものです。

 

宅建試験への影響

条件については10年に2回程度出題されています。今回改正された130条は、数少ない出題されている条文の一つです。追加された条文も判例法理として定着していたものなので、今は条文に定められているという点を知っているか否かを判断するためのものとして改正後すぐに出題される可能性はあるでしょう。

 

 

法務省:民法の一部を改正する法律案

 

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賃貸不動産管理士とはどんな資格?

2012年にスタートした賃貸不動産経営管理士試験は今年で6回目を迎えます。今後ますます注目度が高くなるこの資格について学習方法含めご紹介したいと思います。

 

賃貸不動産管理士とはどんな資格?

賃貸不動産経営管理士とは、主に賃貸アパートやマンションなど賃貸住宅の管理に関する知識・技能・倫理観を持った専門家と位置付けられています。重要な居住環境である賃貸住宅を適正に維持・管理することは、みんなが安心して生活できる土台となっています。そして、継続的かつ安定的で良質な管理サービスに対する社会的な期待や要望は多く、賃貸不動産の管理業務にかかわる幅広い知識を有する賃貸不動産経営管理士の活躍が期待されています。
具体的には、2011年12月に創設された賃貸住宅管理業者登録制度と深く関係しています。第一に、登録事業者が貸主との管理受託契約を締結するときは、賃貸不動産経営管理士または管理事務に関し6年以上の実務経験を有する(以下、賃貸不動産経営管理士等といいます)は重要事項を記載した書面を交付して説明し、重要事項説明書の記名・押印を行わなければなりません。第二に、貸主との管理受託契約が成立したときは、賃貸不動産経営管理士等は契約書を作成し、記名・押印を行わなければなりません。第三に、登録事業者の事務所ごとに1名以上の賃貸不動産経営管理士等を設置しなければなりません。これらの役割から見ても、同資格が賃貸不動産管理を営む上で必須要件となっていることがわかります。

 

賃貸不動産経営管理士になるには?

賃貸不動産経営管理士になるためには1年に1回実施される資格試験に合格する必要があります。この試験の受験資格に要件はありません。誰でも受験できます(合格後の登録には一定の要件があります)。実際に、不動産業従事者だけでなく、自主管理の家主や不動産業界へ就職を目指す学生、より知識を深めたい社会人など毎年多くの方が受験しています。試験は、毎年11月に全国11都市で行われます。合格後に登録することで、資格の証しとなる認定証やカードが発行されます。
また、試験実施団体による賃貸不動産経営管理士講習も行われています。賃貸管理業務に必要な専門知識の習得と実務能力を高めるための講習(2日間のスクーリング)です。この講習も受講要件がありません。例年5月~9月の間に全国主要都市で実施されています。この講習の修了者は本試験の出題40問のうち4問が免除されます(2年間有効)。

 

簡単に合格できるの?

 

2016年度

2015年度

2014年度

2013年度

2012年度

平均合格率

54.6%

76.9%

85.8%

79.9%

受験者数

13,149名

4,908名

4,188名

3,946名

4971名

合格者数

2,679名

3,219名

3,386名

3970名

直近5年間の試験状況

 

2012年にスタートした試験は、最初は4000人近くの合格者を輩出しましたが、その後減り続け2015年度は2700人になっています。当然に合格率も低くなってきており、2015年度は54%となりました。ちなみに、2016年度の合格者数はまだ発表されておりませんが、ここ数年の推移から推測すれば、合格者を2000と予測して、合格率15%前後ということになります(表参照)。類似の資格試験である宅地建物取引士試験の合格率は15%なので、それと同等の難易度の試験になりつつあるといえます。

 

2016年度の試験から急に受験者増えた理由は?

表1にあるように2016年度の試験から受験者が桁違いとなっています。その理由は、第一に、2016年8月に賃貸住宅管理業者登録制度の一部が改正されたことにあると思われます。この制度改正で賃貸不動産経営管理士に一定の役割が位置付けられました(前記した3つの義務と役割です)。そして、この改正に伴う、経過措置は2018年6月30日までとされています。すなわち、登録事業者は「管理事務に関し6年以上の実務経験者」が各店舗に在籍していない場合、「賃貸不動産経営管理士」資格者が在籍する必要があります。経過措置の期限内の試験は2016年と2017年の2回だけです。第二に、この制度改正を業界に普及するため、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会等が積極的に活動していることも要因だと思います。第三に、試験実施団体である賃貸不動産経営管理士協議会が、賃貸住宅管理業務の適正化と、それに係る借主と貸主の利益保護のため、賃貸不動産経営管理士の国家資格化を目指していることが、前記制度改正により現実味をおびてきたことが影響していると思います。

 

賃貸不動産経営管理士試験に合格するには?

賃貸不動産経営管理士試験は、まだ国家資格化していないので、試験実施団体が公式テキストを販売しています。このテキストに記述されていることを理解して覚えれば100%合格できる試験です。とは言っても、A5版で約1000頁あるテキストなので短期間で合格するにはある程度メリハリをつけて学習する必要があります。2016年度の試験では40問中39問はすべて公式テキストに直接の記載がある問題でした。1問だけ空き家対策に関するもので、間接的な記載しかなかったものでした。

 

賃貸不動産管理の知識と実務―賃貸不動産経営管理士公式テキスト

賃貸不動産管理の知識と実務―賃貸不動産経営管理士公式テキスト

 

 

現在の試験では、公式テキストで学習することが最も効率的です。公式テキストは1000頁もあるので、一気に読むことは難しいので、章ごとに分割して簡易製本する等の工夫を施して、一つ一つマスターして行くとよいでしょう。公式テキストには章ごとに演習問題が数問掲載されており、その解説には参照頁も記載されているので、章を読み終わった後にこの演習問題で記憶の定着を図れます。2015年度の試験を分析すると、この演習問題をしっかりと勉強していれば8割以上容易に正解できる問題でした。不安な方は、市販の過去問集や予想問題集を購入して演習するとさらに記憶が定着するでしょう。

 

2017年度以降の試験はどうなるの?

どのような試験も、公式テキストをしっかり読み込み、過去問を活用して学習することで合格できます。前記した通り、登録制度の改正の経過措置は2017年度試験までです。昨年以上に受験者数の増加が予想されます。あらかじめ合格点数を設定する試験ではない競争試験である以上、受験者数が増加すると必然的に難易度は高くなります。受験勉強から長く離れてしまっている方は、その感覚を取り戻すために一度講習を受講することをお勧めします。実施団体が行っている免除講習はもちろんのこと、受験対策として短期講習を実施しているところもあります。もちろん、私の経営する機関でも今年から短期講習を実施しております。また、経過措置以降の2018年度からの試験は、国家資格化された後の試験になる可能性が高いと思われます。あくまでも推測ですが、宅地建物取引業と同様の扱いを目指しているのであれば、賃貸管理業者の免許制への格上げ、免許取得要件に賃貸不動産経営管理士の専任制等が法律に定められ、違反者への監督処分及び罰則が科せられることになるのでしょう。不動産投資家へのアドバイスも含む役割も担うことを考えあわせれば、宅建試験に並ぶ人気の資格試験となると思われます。どちらにしても、試験に合格することは年々難しくなるので早めに合格したほうがよいでしょう。

 

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