田中謙次の宅建試験ブログ

宅建試験の受験に役立つ情報を提供します。

営業保証金と弁済業務保証金の異同

無一文でも不動産会社は作れるの?

作れません。最低でも、営業保証金の場合は1000万円、弁済業務保証金分担金の場合は60万円の金銭等が必要です。


事務所を構えて専任の取引士を設置して宅建業の免許を取得してもまだ宅建業はできません。宅建業は公益性が高いので、購入者等の利益を守るために、事業を開始する前に一定金額の財産を預けておかなければなりません。今回は、このお金を預ける手続きとその仕組みについて説明します。


誰にいくら預ければいいの?

宅建業法には、①営業保証金を供託する方法と、②弁済業務保証金分担金を納付する方法の2つが定められています。営業保証金の場合は、事務所1つで1000万円、2つ目から500万円ずつ追加した合計額を、金銭や一定の有価証券で宅建業者が供託しなければなりません。弁済業務保証金分担金の場合は、事務所1つで60万円、2つ目から30万円ずつ追加した合計額を、金銭で保証協会に納付しなければなりません。供託は保証協会が行います。


営業保証金と弁済業務保証金では何が違うの?


宅建業者と取引した購入者等からみれば、両者に違いはほとんどありません。弁済業務保証金の場合、購入者等が実際に供託所から還付を受ける際に保証協会の認証が必要となることくらいです。しかし、還付に至るまでの流れが大きく異なります。イメージとしては、供託から還付に至るまでの諸手続きを保証協会が肩代わりして行い、まるで保険のようなシステムで少額の供託でリスクを分担するようなものです。両者を比較した表を参考に違いを覚えましょう。

 

  営業保証金 弁済業務保証金
還付 ・限度:供託した額
・対象者:宅建業に関する取引により生じた債権を有する者
・限度:営業保証金と同様の額
・対象者:営業保証金と同様。ただし、保証協会の社員となる前に取引した者も含まれる
取戻し 原則:以下の場合、宅建業者が還付請求権者に対して6か月以上の期間を定めて公告しなければならない
・免許失効
・免許取消処分
・事務所の一部廃止
例外:以下の場合は公告不要
・保管替え請求ができない場合の主たる事務所の移転の際、移転後の主たる事務所のもよりの供託所に新たに供託がなされたとき
・保証協会の社員となったとき
・取戻し事由発生から10年経過したとき
原則:以下の場合、保証協会が還付請求権者に対して6か月以上の期間を定めて公告しなければならない
・保証協会の社員でなくなったとき
例外:以下の場合は公告不要
・事務所の一部廃止

※ 保証協会は、弁済業務保証金を取り戻したときは、社員たる宅建業者に、その取りもどした額に相当する額の弁済業務保証金分担金を返還する。

 

 今日のポイント

宅建業を開始するには、営業保証金を供託するか、保証協会に加入して弁済業務保証金分担金を納付しなければならない。

営業保証金は最低1000万円、弁済業務保証金分担金は最低60万円。

 

(過去問にチャレンジ!)

【問 題】 宅地建物取引業者の営業保証金に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。なお、この問において、「還付請求権者」とは、同法第27条第1項の規定に基づき、営業保証金の還付を請求する権利を有する者をいう。(平成22年度 問31)

  1. 宅地建物取引業者は、宅地建物取引業に関し不正な行為をし、情状が特に重いとして免許を取り消されたときであっても、営業保証金を取り戻すことができる場合がある。
  2. 宅地建物取引業者は、免許の有効期間満了に伴い営業保証金を取り戻す場合は、還付請求権者に対する公告をすることなく、営業保証金を取り戻すことができる。
  3. 宅地建物取引業者は、一部の支店を廃止したことにより、営業保証金の額が政令で定める額を超えた場合は、還付請求権者に対し所定の期間内に申し出るべき旨を公告し、その期間内にその申出がなかったときに、その超過額を取り戻すことができる。
  4. 宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者保証協会の社員となった後において、社員となる前に供託していた営業保証金を取り戻す場合は、還付請求権者に対する公告をすることなく、営業保証金を取り戻すことができる。

 

解答 : 2

  1. ○ 宅建業者は、宅建業に関し不正な行為をし、情状が特に重いとして免許を取り消されたときであっても、営業保証金を取り戻すことができる場合があります。
  2. × 宅建業者は、免許の有効期間満了に伴い営業保証金を取り戻す場合は、還付請求権者に対し、6か月以上の期間を定めて公告し、その期間内にその申出がなかった場合でなければ、取り戻すことはできません。
  3. ○ 宅建業者は、一部の事務所を廃止したことに伴い営業保証金の一部を取り戻す場合は、還付請求権者に対し、6か月以上の期間を定めて公告し、その期間内にその申出がなかった場合でなければ、取り戻すことはできません。
  4. ○ 宅建業者は、保証協会の社員となった後において、社員となる前に供託をしていた営業保証金を取り戻す場合は、還付請求権者に対する公告をすることなく、営業保証金を取り戻すことができます。

 

この記事は2014年5月5日の「全国賃貸住宅新聞」に掲載したものです。

※ 法改正により、取引士を取引士に名称変更しております。

 

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